ロッドメイクいたしませう


たまには、ロッドメイキングなど如何でしょうか?今回は、雷魚ロッドなぞお作り致します。

まずは、ガイドですが…

市販のガイド…そのまま装着する方はまずおりませんとは思いますが、普通に購入しただけのガイドでは、100%装着するのは、難しいかと思います。それは…

 

ガイドの先端は、ブ厚いメッキの為に、まん丸になってしまっていて、そのままでは全くスレッドが絡んでくれません。

そこでダイヤモンドヤスリなど持ち出して、ロッドの先端にフィットするように削ってやる訳ですね。

これ…8ガイドなんですが…。
7×2=14 プラストップガイドの15箇所も削ります。

気が遠くなるような作業…

ピカピカに磨き上げると、このように刃物のようになります。まぁ…この程度までしないと、細いスレッドは上手くガイドの足に乗ってくれません。辛抱辛抱。

次にスパイン出しでございます。

スパインって何?とおっしゃる方にご説明致しますと、ブランクスを製造する時に、カーボンなりグラスファイバーの繊維シードを鉄の棒に巻き付けて製作するのですが、そのシードの端部の位置によって、ブランクスの厚みが変化いたします。そうすると、ロッドの張りが円周の全体で場所によって違って参ります。
それを探して、ロッドの使用する方向によってガイド位置を変化させようというお話なのです。

次に、グリップの部分の加工でございます。

まぁ、買ってきたグリップをそのまま装着したら、怖い事になりますので、当然ですがEVAフォームの棒を切断致します。

これ…慣れた人でも絶対に曲がりますので、こんなふうにマスキングテープで切断位置のガイドをしております。

当然切ったばかりに切断面は汚くて、ざらざらです。これじゃぁ装着するのも…(>_<)
ってなっちゃいますよね。

 

そこで、耐水ペーパーで切断面を丁寧に仕上げます。

これをサボると見た目が汚くなりますので、結構真剣です。

やっと、パーツの準備が終わって、グリップ位置の仮組を行います。

これで判った位置におおよそ印を付けて、次の行程に向かいます。

次に行うのは、ブランクスのグリップ部分の塗装剥がし…

これをしないでグリップを装着してしまうと、間に入っている塗装自体が禿げて、グリップの破損の元になったりします。耐水ペーパーの240番くらいで、シコシコ…

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おお!すっかり綺麗なもんです。

こんな具合に仕上がっていればベターじゃないでしょうか?

 

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次に、グリップ部分とリールシートの接着なんですが…

そのままでは、空隙が大きすぎて、まともに接着できませんので、シートやグリップの内径に合わせて、ナイロンの糸で嵩上げします。

最終的には、瞬間接着剤をこれでもか!ってくらいに使って、一体化させてしまいます。

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さて、ようやくシートの取り付けです。

今回は、リールシートの内径が一番大きいので、こいつから接着致します。

5分硬化型のエポキシ接着剤を使用して、一気に参ります。

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うりゃぁ〜

コレで完了!

つうか、5分しかない硬化時間ですので、練って練ってしていると、この季節では、数分で硬化してしまいますので、写真を撮影する暇がございません。

これは、グリップ裏に充填したボンドの状態です。まあまあ良く充填されていると思います。

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ここで、ボンドなぞ…。

こちらお馴染みのエポキシ系接着剤ですが、5分硬化型と30分硬化型…使い分けしないとなかなか上手くいきません。

使い分けは皆様の腕次第という事で…

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十分に接着剤を行き渡らせて、スパインの位置、そしてグリップ全体の位置を確認して、マスキングテープでグルグル巻きにしておきます。

ぢつは、こういう一連の作業をこなす場合は、30分硬化じゃないと、作業中に攪拌したボンドが硬化してしまうんですねぇ〜

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じゃ〜ん。

これがグリップの決まった状態です。この作業は、ボンドの使用量も多く、また、失敗できない場所なので、なるべく一度で済ませたい部分でもあります。

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さて、スパインに沿ってガイドを仮組して参りましょう。

仮のガイド組は、細く切ったマスキングテープを貼り付けて行います。

ガイドの位置のバランスを見たり、実際にリールを付けて、ラインを通して感じを見たりするので、仮とは言っても、ちゃんと付けましょう。

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これが、決定のガイド組位置。

ここに辿り着くまでに3回もガイド位置を調整しています。

リールを付けて、ラインを通して竿を曲げてみると、いい加減に仮付けしてるガイドは、ストレスになりますので、それの抵抗を減らしたガイド位置を探します。

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−−ガイドラッピング−−

難しい事なんかありません。適当にテープで糸を固定して…下までクルクルと回して絡めます。

20 巻き始め位置の所でリターンさせて、端部をカット、その後はガイドフットの部分を良く馴染ませるように柔らかめに巻いていきます。
21 最後は、こんな具合で、抜き輪を織り込んで、4〜5回撒いて、端部を潜らせて抜いて完了
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んで、全部出来上がると、こんな感じに仕上がります。

まだ、ガイド位置が微妙に捻れていますね。今の状態で直してしまいます。

化粧スレッドでピンポイントを付けた後は、なるべくガイドを動かしたくありませんので。

23 ガイドをよーく見えるようにするのは、白の下地か、逆光がいいですよ。ガイドのシルエットが出て、微妙な調整が行いやすいです。
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これで調整完了です。

う〜ん、チョークの位置からもの凄くガイド編成が変化していますねぇ。

ノーガイドコンセプトなロッドにならなきゃいいんですが…(笑)

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最後に、化粧巻きをして仕上げちっくに攻めたいと思います。

パステルグリーンと、ピンクのこの彩り…なかなか微妙です。

シルバーストライプは、ガイドやチェックのシルバーと合っていてなかなか良いですねぇ。

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ガイドの方が、シングルラッピングで処理しましたが、スレッドが太めでしたので、意外と丈夫そうですね。化粧スレッドの存在が少し弱かったかもです。

反省

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エンドバランサーの無事に取り付いて、コーティングを残して完成です。

まぁ、後は、デカールでも作ってみようかしらん。。。

デカール次第で竿の印象って随分と違いますので…

さて、久しぶりの更新にロッドメイキング…

そうです。鋭い!!

釣り行ってないんですわ〜〜

 

桧原あたりもいいんですが…

どなたか…お休み下さいませ。。。